オクタゴン恵比寿 / 高松伸 / ★★

 

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作品HP:http://www.satohide.co.jp/works/02/02-02.html

https://of-tokyo.jp/building/belle%E6%81%B5%E6%AF%94%E5%AF%BF/8229/

所在地:東京都渋谷区恵比寿西1-3-6

設計者HP:http://www.takamatsu.co.jp/projects/projects.php

竣工年:1990

プログラム:店舗・オフィス

構造様式:SRC造

延床面積:829.48 m²

階数:地下1階 地上8階

仕上げ

外装:アルミパネル

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恵比寿駅から近く、5差路の交差点という視認性の高い好立地のオフィスビル。おしゃれなクリニックや歯科医院などがテナントで入る。1~2F:店舗、3F以上:オフィスとなっており、1,2階はガラスファサード、上階はアルミパネルの外装となっている。最も装飾性の高いファサードは4~5Fとなっており、円形窓や金属円柱などが織り交ぜられたメカメカした意匠となっている。メインの多角形のボリュームの両脇に非常階段と避難上有効なバルコニーのコンクリートのボリュームがあり、2方向避難ができるようになっている。

多角形の上に凹凸を付けた外装となっており、上層は開口も少ないため、豊かであるべき窓辺や室内レイアウトのフレキシビリティは悪そうな印象である。また、窓際に近くにある大きな円柱が更に空間を小さく見せる。オブラートに包まずにいうならば、外装によって内部空間が犠牲になったように感じられる。

建築家初期の作品であり、メカメカしい装飾が積極的に用いられた意匠となっている。著書である「陽のかたち」の周辺敷地に影響されず「可能な限り閉じられた状態で開発された」建築に思える。ただ周辺の建築を見渡すと本建物の意匠が周囲の意匠に影響を与えているように感じる。円柱形の外部階段や外装の金属意匠などが周囲の建築に積極的に取り入れられているように思えた。

高松さんのどの建築もそうであるが、過程や理由付けを読み解くのは難しいが、ディテールが非常によく検討されている。特に非常階段のルーバーの継ぎ手金物は円柱を用いたジュエリーのようなものとなっている。外装のコンクリート打放し面と御影石の間にガラスを挟んだり、バズーカのような外部手摺は非常に独創的で彼ならではのディテールである。