J-FACILITY中目黒 平安51 / 高松伸 / ★

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所在地:〒153-0061 東京都目黒区中目黒3丁目5−8 153 0061 丁目

竣工年:1989

プログラム:オフィス

構造様式:RC造

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山手通り沿いにある7階建てのオフィスビル。1面を大通り、1面を路地に続く細道と2面接道の縦長の敷地。RCのボックスの上階の一部が円弧で切り取られているようなボリュームになっている。容積率、日影制限による与件もあったのだろう。8層目はファサード側が塔屋になっており、建物を高く見せたかった意図が見られる。

外装は基本化粧型枠コンクリート打放しであるが、一部を御影石?を用いた円弧で切り取ったような形状として挿入している。コンクリートの型枠にスタイロを挿入して後から御影石を貼り付けたのだろうか。コンクリート御影石の間の目地は広くせざるをえない。一見、奇抜に見えるがよくよく見ると丁寧にルール付はされている。同面揃えや目地ルールは押さえている。特に目地の独自の配置が非常に面白い。あえて、角層で微妙にずらして間に微妙な金属目地を挿入したり、1番外側の石は留め目地にしたり、この操作でよりメカメカしさが増しているように感じる。改めてファサードを眺めると、1層から7層まで続く鋭利な金属目地、切り取った円弧にある金属円柱、円窓、開口部、1階照明部分などどこがかけても物足りないような調和されているようにも見えてくる。全てをメカメカしくするよりも、メカメカしさを一部に挿入するほうが好きかもしれない。

高松伸の1989年竣工の作品ということでポストモダン真っ只中なカオスなデザインとなっているが、ボックスとメカメカしさを同居させた作品は珍しいのではないか。

窓が少なく、内部のオフィス空間は暗いのではないだろうか。また、基本的に通行人が上を眺めることはないので、上階の外装を頑張っても費用対効果が薄いように感じる。自身もこの建築に1年以上気づかなかったわけだし。意匠的な価値が担保されないのであれば、建築家のエゴによって使い勝手が損なわれる意匠は見ていて気持ちよくはない。