カトリック目黒教会 / アントニン・レーモンド / ★★★

 

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作品HP:https://mosu3.blog.fc2.com/blog-entry-194.html

所在地:東京都品川区上大崎4-6-22

設計者HP:https://raymondsekkei.co.jp/antonin/

竣工年:1956

プログラム:教会

構造様式:RC造

仕上げ

大聖堂の天井:RC打ち放し仕上げ、折板構造

外壁:RC打ち放し仕上げ、一部ステイン塗り

内壁:RC打放し仕上げ、一部に鋼製仮枠を試みて表面が滑らかで石の様に固く仕上げる

天蓋(コンクリート+金箔仕上げ),十字架(鉄+七宝),祭壇(仙台石磨き仕上げ)

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目黒駅近くに位置する教会と事務室。1956年竣工のため、周辺の建物の方が後に建ったと思われるが、周囲の建築に対しても大きすぎず、程よく調和している印象。コンクリート基礎に突き刺し、上面をFBで留めた最低限の塀が良いバランスの内部空間の神秘性と内部への抜け感を出しているように感じた。事務所と教会でコの字型の配置となっており、中央に外部集会スペース?のような構成となる。

外装は基本はRC打放しで一部にRC下地の上にステイン塗がされている。ステインコンクリートの方が質感は良く上から塗るのは安っぽい。

内部は暗いというのが第一印象。サイドから自然光がこぼれ落ちる。教会建築は自然光の入れ方が重要だと再認識させられる。人々が集まり祈り思いを込める神聖な場。暗すぎるくらいがちょうど良い。

教会の天井架構は大胆な折半構造。大味なスケール感が荘厳さを感じさせる。祭壇中央がRCの上金箔と他のウェブに書いてあったが、RCに見えない。床仕上げはモザイクタイルを散りばめている箇所が教会らしい。RC仕上げについて、天井は細かい杉板型枠で壁は縦長の型枠となっている。事務所塔はサブロク板となり、縦長に不規則に開いた窓を効果的に魅せるためだと思われる。事務所塔外壁の出隅は両負けである。巨匠と言われる人は出隅両負けにする人が多いような気がする(谷口さんなど)。通路側にサンルームを設けたり、Rに凸まさせたり、内部空間外部への配慮が感じられる。

全体の構成、ディテール、使い勝手など良い建築の要素を持っていると感じた。