OAK BLDG Ⅱ/ 設計組織アモルフ(竹山聖) / ★★★★★

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中目黒駅から徒歩5分程度の裏路地で、交差点の角地にある敷地。立方体ボックスから球体によって切り取られたような造形。壁式RCであり、薄皮一枚(それでも300mm厚+20mmの増打ちとなかなか厚い)の表現。1階部分の角にはボリュームがなく、車寄せになっていると共に道路に建物が開けている印象となる。建築のスケール感と線が整理されており、非常にレベルの高い造形である。

外部階段のボリュームは外壁とは分断して配置。外部階段と外壁の接合部は溝があることからもその意図が読み取れる。外壁下部への間接照明、小さいアッパーライト、ガーデンライト、外部階段へのスポットライトが隠すようなディテールで配置されている。外構と植栽部との干渉部はアルミFBで留めている。EVホールの外部窓は枠なしのくもりガラス。スラブの見える箇所は外部に向けてテーパーをかけられる。隅々まで非常に丁寧に設計される。

造形的な美しさと細部のディテールを上手くまとめた上で、使い勝手も良さそうである。このような建築を目指して今後も邁進したい。

後、都市についての余談だが、目黒区上目黒1丁目の都市性は実はすごく特殊なのではないかと感じた。大学やショップ、オフィスなど集客力があって、人の通行が激しくなりそうなプログラムがあるにも関わらず閑静な住宅街という雰囲気を受ける。高架下を抜ければ、飲み屋街。目黒川沿いに行けば、ショップが立ち並ぶ。狭いエリア内で区画が変わると雰囲気が大きく変わるのは面白い。

 

所在地:〒153-0051 東京都目黒区上目黒1丁目11−1 OAK BLDG II 

設計者HP:https://www.amorphe.jp/tagged/select

竣工年:2020

プログラム:事務所

構造様式:壁式RC造

外部仕上げ:化粧型枠コンクリート打放し

床:御影石