機械加工の知識がやさしく分かる本 / 西村仁 / ★★★☆☆

<概要>

主要な機械加工の方法について、加工方法と図面の注意点の基礎を抑えた本

<自分的ハイライト>

・加工には以下3点が求められる。

①図面通り過不足なく加工する(製造品質)、②1円でも安くする(製造原価)、③あっという間に加工する(加工時間)

・加工の5種類

  • 切削加工

・ネジきりの仕方(めねじはタップ加工用のドリルで行う場合も)

・旋盤はどのメーカーでも工作物の左側をチャックし、右側から加工する。部品図はこの加工と同じ向きに合わせる。

・一度チャックで掴んだら離さない設計が必要。持ち替えたら、回転の軸がずれる。

・軸と穴を密閉したいときにゴム状のOリングを使用する。流体に圧力がかかった際に片側に押し付けられることで密閉される。加工効率性より、軸にOリングを装着する。

・高精度の軸には逃げ加工を行う。異物混入や反りで挿入できない場合を防ぐため。

・直径に対して4,5倍の長さがある場合はセンタ穴可(不可)を図示

・センタ穴の可否やRの大きさを以下で指定するなど工場側への配慮を図面内に含めて、工場側の負担を軽減させる。

・貫通孔は通し孔とも呼ぶ。施工精度等のために必要径よりも大きくしているのをバカ穴と呼ぶ。

・穴の深さは直径の5倍まで。理由は、①特殊なロングドリルを利用、②ドリルが反ってまっすぐにカットが困難、③加工中に折れる危険性

・穴やねじは平面に加工

・必要なねじ長さの目安は、ねじ径と同じ長さ以上。また、ナットの長さを確認すれば必要ねじ長さがわかる。

 

  • 成型加工

・板金加工の種類。バーリング加工でねじ厚を疑似的に増やせる。

・曲げ加工の亀裂が発生しない最小の曲げ半径は板厚が基準。

・薄い板金にねじ加工が必要な際は、バーリング加工やプレスナットが解決策

・曲げ加工を行うと側面方向にも膨らむ。板を並べたい場合はこのふくらみのためのクリアランスが必要で、板厚の15%が目安(2.3mmの曲げ板金を2枚並べたい場合、2.3x0.15x2=0.7mmの隙間が必要)。

 

  • 接合加工

・溶接は①加工時間が少なく、②材料無駄もすくないため、コストダウンに効果的

・溶接の熱により母体のひずみが生じやすいため、精度が必要な場合は溶接後にフライス加工で仕上げる。

・溶接では熱が加わるために変更が生じる。その対策のため、強度的には片側溶接で大丈夫でも両側に対称溶接する設計を行う。

・完全溶け込み溶接は接合部の全断面を完全に溶接するので、接合部の強さは母材と同等となる。そのため、全断面を溶接できない隅肉溶接よりも強くなる。

・片面溶接の場合、底部の溶込みが不足しやすいので裏当金が必要な場合あり。