建築情報学へ / 建築情報学会 /
・その理由(なぜこの本を読もうと思ったのか)
建築情報に対する知識・考え方を得たい。
・もたらせるメリット(この本から何を得たいのか)
新しい建築情報の仕事をしている人が知れて、知識が得られる。
・期待していること(読んだ後、どういう状態になりたいと願っているのか)
考え方が自分の中でまとまり、知識が増える。
面白い考え方・知識を抜粋
第一章 拡張する建築の職能
大野友資
・全ての事象には、情報的な側面と物質的な側面がある。どちらの側面にも傾くことがあり、そのバランスをコントロールしてデザインすることに建築家としての新しい職能の可能性を感じる。
・図面やデータはある種の言語。図面は職人さんと話をするための言語だし、加工データはマシンと対話するための言語。
・CNCなどのマシンを使いながら、加工データとマシンセッティングを慎重に調整しながら理想の形に近づけていくのは現代的なクラフトマンシップと呼ぶべきもの。
Hypar-201212 / Andrew Heumann-TokyoAECIndustryDevGroup / ★★★★
<Hyparとは>
WEBベースでデザインオーサリング(要素を分けたモデリング)、簡単な環境解析、Generativeデザインが行えるプラットフォーム。現在は無料で利用可能。
Rhinoからのインポート、ifc,Jsonでのアウトプットを通して、Revit,Rhinocerosとソフトウェア連携ができる。Dynamoからのインポートはできない。他のサイトのapiとの連携は可能。
<実務で使える場面>
・現段階ではフリーソフトなので、ソフトウェア環境のない人への3Dデータの閲覧
→ソフトウェアなしで閲覧できることで様々なビジネスでの展開が可能(例;CODEをアップロード、実行、評価をすることで確認ができるので利用者の購入のハードルが下がる)
・WEBベースなので、I-padなどPC以外のデバイスで利用可能。
1分で話せ / 伊藤羊一 / ★★★★★
その理由(なぜこの本を読もうと思ったのか)
普段の仕事で要点をまとめて話すことができていないので、そのテクニックを知りたいと思ったから。
もたらせるメリット(この本から何を得たいのか)
まとめる力のテクニックを知り、それを普段の仕事で実践したい。
期待していること(読んだ後、どういう状態になりたいと願っているのか)
テクニックが頭の中にまとまっており、日常でも意識できている状態。具体的なアクションプランがある。
前提
右脳と左脳両方に働きかけないと動いてくれない。
伝えるための基本的事項
・相手は誰で何に興味があるか?
・ゴールは何か?
1分で伝える構造
前提→結論→根拠
・結論を話して、根拠を話す。
・根拠の数は3つを目安。複数だすことで反論されづらくする
・根拠と結論の意味がつながる。
・いらない言葉は削る(プロセスや他の人の意見は不要)。
・前提をきちんと伝えて、勘違いをなくす。
1分でその気になってもらう
・結論→根拠→例えば
・ビジュアル又は具体例を示す
1分で動いてもらう
・超一言で言いたいことを示す
・人前で話すとき、①視線(しっかりと聞き手を見る)②手振り(多少動きをつける)③声(相手と対話するように、強調)④間合い(話の区切りに3秒ためる)に気を付ける。
・相手の立場を想像し、メタ認知をする
・根回し、アフターフォローを行う
<実践編>
上司への提案
プレゼンではなく対話を意識
・自分の意見を持ち、結論→根拠のピラミッドを作る
・上司の意見を聞く(根拠、主張などを意識しながら)。上司の言いたいことが分からない場合は整理する。
→この上で根拠、主張が解決されるアクションプランを提示
・ピラミッドをとれば話の主導権を握れる
・僕はこう思うではなく、私たちは・我々はという言葉を使い共同で行っていることを意識させる。
・意見が合わないときは、「共有できる同じ方向」まで遡る。
・自分の案を出す。上司の案も引き出す。比べながら最高の案に擦り合わせていく。という順番
ファシリテーション(仕切り)の極意
広げて絞る流れをつかむ
・ゴールを決める
ゴールの提示→考えてもらったことで話を広げる→話を考慮して軸を決める→軸(根拠)を確認しつつ絞り込む
・事前準備を必ず行う
①事前に考えてもらうことの提示、②共通理解事項を共有、③軸を想定、④議論がどうなるかイメージ、⑤収集がつかなくなったらどうするかを想定
<アクションプラン>
・上司(Jaeやチーム、渡辺さん)に提案する時に、話の流れを意識する。
①結論→根拠→事例の流れ
②上司の主張・根拠を聞く
(違う場合)
③共有点まで戻って、どうして相違点があるのか、どうすれば解消するのかを考える。
(指摘された場合)
③上司の主張・根拠が解決されるアクションプランの提示
映像研には手を出すな / ★★★★
<あらすじ>
部活が乱立した高校を舞台にした映像研究同好会に属する少女3人の物語。浅草:引っ込み思案なストーリークリエイターの天才、金森:マネジメントと経営の天才、水崎:描写や人物画が得意で動画クリエイターを夢見る社長令嬢のカリスマモデル。ドラマ版では、部の設立までのストーリー。
<考えたこと>
・天才がいてほしい。
ドラマの描写では天才動画クリエイターの浅草氏が思いつくと、あっという間にアイディアを絵コンテに書き留める。当然のことではあるが、実際はそのような作業プロセスではなくて、圧倒的なリサーチと論理の中でアイディアは生まれる。だが、ドラマ上勿論それでは面白くないので、天才キャラは簡単にこなす。この幻想は実際にも当てはまる。天才はいないが、天才という立場や評価はされる人はいるということである。実際は他者と才能は変わらないが、名前が1人歩きして天才と評される人はたくさんいる。大した成果は出していないが、メディア上ではカリスマ的な存在として取り上げられる建築家やメディアアーティストは多い。「売れる」とはそういういことなのかな。でも、結果を出して売れた人でなくては、実際と評価との差を自分自身が一番感じるのでしんどいだろう。
・俳優を知っていれば、2度楽しい。
主演女優が乃木坂メンバーということで、乃木坂工事中でパーソナリティを知っているため、物語と演技の2味楽しめる。
・ドラマはアンリアル
ドラマはぶっ飛んでいないと面白くない。現実逃避の一種のようなものなのだから、実際の高校生活とは全然違う。
建設ITガイド 2020 / 経済調査会 / ★
・その理由(なぜこの本を読もうと思ったのか)
BIMの知識を身につけるため
・もたらせるメリット(この本から何を得たいのか)
BIMに関する日本での最新動向
・期待していること(読んだ後、どういう状態になりたいと願っているのか)
新しい知識を知れてよかったなと思える
新しい知識があるわけではないが、BIMを取り組んでいる会社・ソフトウェア・国土交通省の動きが一冊の本としてまとまっているのは有難い。
角川武蔵野ミュージアム / 隈研吾 / ★★★★★
東所沢公園の近く、ところざわサクラタウン内にあるミュージアムは、象徴的な存在であるが、ところざわサクラタウンの外装のパキパキ感は共通しており、水盤や千人テラス等十分な引きもあるため、調和されているように感じる。
開口はほとんどなく、エントランスもなるべく小さく計画している。各階ごとのチケット制、異なるプログラムを持つ。
5階建ての巨大な多角体は圧倒的な大きさと存在感で、見る人を圧倒する。外観の分厚い割肌の石は高級感を感じさせ、潤沢な施工費が確保されたヨーロッパの大規模美術館と似たような雰囲気を感じた(個人的にはSnohettaのNorwegian National Opera and Balletのような)。61枚の三角形が組み合わせられたファサードは人工物感がなく岩が川の流れで削られたような自然な印象となる。それを実現させるのが施工精度の高さ。幾つもの辺が重なる頂点もきれいに納まっている。その施工精度を担保するのが、大工への適切な指示と正確なモデリングである。BIMを用いて正確なモデリングがされると日経Xtechにはある。Rhinoのモデリングとどう違うのかは今度質問しよう。
4~5Fの本棚劇場、回廊など図書館の機能の部屋は木をふんだんに用いた内装となっている。本棚の構造材はなるべく間仕切り壁内に隠される。本棚の配置方法によって、様々なディテールが用いられる。一方、共用部は階段に貼られたアルミネットや天井を仕上げず鉄骨を見せるように、インダストリアルな雰囲気。外壁の分厚い割肌は高級感を感じずにはいられない。外部の家具にはSixInchが使われていた。
木ルーバーのイメージが印象的な隈さんと違って、石の建築。石の美術館などで外装材に石を持ちいた作品もあるが、その中でも圧倒的な規模感。
グランドオープン直後の土日ということで、人が多く賑わいを感じる。家族連れやカップルが多い印象。夏には子供が水盤に入っていたとのことだが、冬場なのでそのような子供はいなかった。
作品HP:石の建築「角川武蔵野ミュージアム」、隈氏のデザインを鹿島はどうやって形にしたのか | 日経クロステック(xTECH)
石の建築「角川武蔵野ミュージアム」、隈氏のデザインを鹿島はどうやって形にしたのか | 日経クロステック(xTECH)
所在地:埼玉県所沢市東所沢和田3-8-7
設計者HP:Kengo Kuma and Associates – 隈研吾建築都市設計事務所
竣工年:2020
プログラム:美術館 図書館
構造様式:鉄骨+RC
延床面積:12,000㎡
仕上げ: 外壁 : 石(割肌仕上)
ミヤシタパーク / 竹中工務店 / ★★★★
元々の雑多な印象や高架下沿いということもあり、インダストリアルで天井仕上げなし、鉄骨剝き出しやアルミネットが基調としたデザイン。
気持ちのよさそうな空間であり、人々にも活気がある。
内装は各テナントごとにインテリアデザイナーが入り、それぞれの個性を出している。基本的には今の流行りであるインダストリアル系かと思われる。
昼は人が大勢集まり、モデルが写真を撮るなどのアクティビティーがあり、若者でもイケてる場所として認知されており、渋谷を象徴する存在として成功しているように感じた。
作品HP:「ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)」宮下公園×商業施設×ホテルの新スポット渋谷~原宿に - ファッションプレス
所在地:渋谷駅前
設計者HP:https://www.takenaka.co.jp/majorworks/purpose/office/index.html
竣工年:2020
プログラム:公園
構造様式:鉄骨造
延床面積:約46,000m²